助成金の申請

補助金や助成金についての情報収集や下調べが終わったら、早速申請の準備に取り掛かりましょう。申請書作りは、次のような点に注意して進めます。

「早めの準備」と「分かりやすいアピール」が重要

注意点①

申請の〆切までの期間が1ヶ月程度など短いことが多いので、毎年行われている助成金制度であれば、前年の申請書にたたき台を作って準備しておくのがおすすめです。「対比表」「イメージ図」「フローチャート」などを活用し、わかりやすくなるように視覚に訴えるよう工夫しましょう。

注意点②

一般的に、特に重要な項目は「新規性」、「実現性」、「事業効果」、「必要経費」と「助成対象経費」です。(補助金や助成金の趣旨によって変わります。)

  • 「新規性」では、すでに世の中に出回っている既存の製品・サービスと比較した場合の「違い」と「新しさ」をアピールします。
  • 「実現性」の項目では、「会社の社内スタッフ、外注先などの選定が妥当であるか」や「事業スケジュール」がチェックされる他、「達成目標」の記載も必要です。「達成目標」に到達できなければ「事業失敗」とみなされ、助成金の受給ができなくなる恐れもあるので、達成目標は慎重に設定しましょう。
  • 「事業効果」の項目にある「売上などの収支計画」は、目標となる売上増加をベースとして記載して、アピールしていきましょう。また、エンドユーザーへのメリットは、漠然としたものではなく、審査員にも理解いただけるように具体的に書きましょう。
  • 「必要経費」では「助成対象経費+補助対象外経費」を併せて記載します。一般的な補助金であれば見積書などは不要な場合もありますが、申請書に記載した金額が公的助成金の予算となり、採択後に増額変更などはできないため、少し余裕を持った額を書いた方が無難です。

なお、「必要経費」の中の「助成対象経費」には、「原材料費」「人件費」「外注費」「専門家謝金」などを記載します。このうち、「外注費」における「外注先の選定理由」には、合理性や明確さが求められます。「知り合いだから」とか「長い付き合いだから」という理由は認められがたいので注意して下さい。

注意点③

申請書そのものは書き終えたとしても、ものによっては、申請前に「経営革新等支援機関」や「商工会議所」などの「提携先による確認や押印」が必要な場合もあります。また、「登記簿謄本」や「納税証明書」なども併せて提出が必要なこともあります。
申請〆切直前にこのことに気がつきタイムアウトということがないよう、作業は早めに、また、書類に不備がないかの最終チェックもお忘れなく。

 

書類審査を通過したら、どうなる?

書類審査を通過し、面接に進む場合は、コンサルタント(顧問契約を結んでいる税理士や社会保険労務士など)は同席できることはあまりありません。

助成事業の詳細を自分自身でしっかりとプレゼンできるよう、十分に事前準備しましょう。

また、晴れて助成金の受給者として採択されると、例えば数週間程度後くらいに事務取扱説明会などが開かれるので、経理担当者などと共に出席しましょう。助成事業の完了報告時に必要な書類や伝票についての説明があり、これらを規程通りに提出しないと、助成金の減額や取り消しになる恐れもあるので注意が必要です。

 

「助成金受給のための書類整理」は楽じゃない…

上述の取扱説明会で説明があるとは思いますが、対象事業開始後は「見積書、契約書、伝票などの書類」を適切に作成、管理しなくてはなりません。

例えば、取引先に伝票を発行してもらう場合にも、支払日は同じでも、「助成対象となる分の伝票」と「助成対象とならない分の伝票」は分けて発行してもらえるようお願いしておかなくてはなりません。

また「人件費」の証明には「担当者ごとの日報」や「出勤簿」「賃金台帳」など複数の資料が求められるので、きちんと作成、管理します。

その他、「原材料」や「機械設備」については、納品時や設置時に証拠となる写真が必要な場合があるので、きちんと撮影し、「印刷した写真」と「写真データ」を、通し番号をつけるなどして適切に保管しましょう。